2022年2月6日日曜日

【活動日誌】映像特別編(その1)

映像特別編(その1
202226日(日)13:3016:00

参加者:17名・見学者:4

講師:上田謙太郎さん 


オンラインによる映像ワークショップ「スマホで小さな映画づくり」。演劇部の特別編として、映像作家の上田謙太郎さんを講師に全2回で始まりました。スマートフォンの動画撮影機能をつかって、「わたしが好きなもの」をテーマに1分の動画をつくってみます。

上田さんは昨年(2020年度「演劇の『種』育てましょ! 花を咲かせ実を結ばせるクラブ活動」)ワークショップを行う予定でしたが、新型コロナの感染状況により市民館スタッフの研修ワークショップという形に。今回、地域のみなさんとようやくご一緒できることになりました。

初回のこの日は“部員”17名が参加し、4名が見学。まずはZoomに慣れてみるところから始まり、「どんな人がいるか」自己紹介タイム。映画づくりのテーマとなる「好きなもの」もいっしょに挙げていきました。


(部員)好きなこと…「ファミレスで新聞読んだり」「山の写真を撮ったり」「絵を描いたり」「猫で動画にチャレンジしたい」「映画・写真・演劇」「男はつらいよのロケ地で映画と同じ角度で写真を撮ったり」「歌を歌ったり」「2週間前に生まれた初孫が〜」「音楽聞いたり」「ありすぎてひとことで言えない」「劇場とか美術館とか」「映画祭のお手伝いをしていて動画の配信もしていたり」「どんぐりが入ってる土偶クッキー」「YouTubeとか見ててああいうのが撮れたらなって」「最近歌舞伎にはまってしまった」「好きだけど今できないでいるのが岩魚釣り」「ジェラート屋さんにある地元の中学生が考えたジェラートがおいしい」などなど

●映像の仕事って何?

まずは上田さんのお仕事からご紹介。「他者の存在を大事に、他者との関係性から芸術作品を作る」メディア芸術に携わっており、大学の学生とのドキュメンタリー映画や、これまでの映像作品の一部を見ました。

(上田さん)映像作家の仕事って“指差すこと”だな、と。人や風景、いろんな出会ったもの、美しいもの、いとおしい時間。隣にいる人と目を合わせて「ねえ見て」って指差す素朴な気持ち。そういうピュアな気持ちって誰しもが持っていると。なので、みなさんが好きなものを“映像で指差す”ってことをやってみましょう。

 

「指差す」をイメージして1分の動画を作りましょう!

テーマは「私が好きなもの」です。

 

(上田さん)“指差す”っていうことは“口で説明する”ことではないんですよ。


●スマホで撮影する練習

撮り方講座 3つ大事なこと

(1)水平に撮る

「スマホにグリッドを表示させるとGood!」

(2)カメラを動かさない

「左右にふったり歩いたりしちゃいがちだけど、じっとこらえる。どうしてもふるときはお腹から、からだごと。」

(3) どんな状況でも絶対に5秒以上録画する

「カメラが動かないほど人は集中して見る。“見つめる”という態度がうまれる。見せたいところに集中してもらう。」

 

\実践/

スマホで5秒のショットを5つ撮ってきてください。

(上田さん)身の回りにあるものを。広い絵、寄った絵など織り交ぜてみて。関連性はつけてもつけなくてもよいです。

個々に撮影タイム


撮りおわったら撮った映像をじっと観察するように見てみて、ほかの人に見せたいと思うショットを2つ選んでおいてもらいました。

ブレイクアウトルームで2人組になって、お互いの撮ったものを見せ合って質問したり話をしてみる
 
●シナリオづくり
「わたしが好きなもの」をひとつ決めて、その「好きなもの」にどんなバリエーションがあるか、細部があるか、書き出してみます。

(上田さん)そのものだったり、すきなことをしている時間のことだったり、それを売ってる店とか、おなじように好きなともだちのことだったり。シチュエーションを連想して、思いつくものをだーっと箇条書きに。

個々に考えタイム
ブレイクアウトルームで2人組になって聞き取りをしてみる

  ↓
(上田さん)書き出したその紙がシナリオのようなものです。でも現場で気づいたことも大事なので、シナリオをもちつつ手放すような気持ちで、“どういうショットを撮れば、わたしが好きなものが伝わるんだろう”と思いながら撮ってみてください。
 
●映画をつくる
今回の企画は…
×紹介動画をつくる
○映画をつくる!

(上田さん)「好きなものを紹介する映画をつくる」のではなく「好きなものを題材にした短編映画をつくる」つもりで。説明のための映像ではない、ということです。映画は「感情、詩情、人間の存在感」が、説明ではない形で伝わってくるものだと思っています。

撮影のコツ
●コツ1
「情報を撮る」のではなく「状況を撮る」。
天候や光の加減、風、人がいるかどうか。ものと空間を状況そのままに撮ってみる。
●コツ2
あなた自身が美しい瞬間に出会わなければならない。
良いタイミング、良い時間帯に出会うための最良の方法は「待つこと」。
●コツ3
被写体が最も美しく見えるアングルを探す!
モノでも人でも最大限の敬意を持って、一番かっこよく、美しく写るように。
●コツ4
一つのアクションの全体と詳細をそれぞれ撮る
(例)読書をしている人全体を写した引きショット、読書している本の寄りショット
●コツ5
説明に終始せず、遊び心で撮る

【スマホで1分映画づくり】
次回(2月26日)までの間に、スマホで動画を撮影して「わたしが好きなもの」を題材にした1分映画をつくりましょう。

・自分を主人公にする
いわゆる「自撮り」ではなく、三脚などで固定して、客観的な視点で
・カメラ目線をしない
観客が撮られた世界であることを忘れるように
・余白や余韻を楽しむ
観客が詩的な想像をする

上田さんの1分映画見本

・10ショット以内で構成する(平均すると1ショット6秒です)
・スマホは横向きで撮る
・音声に指示する声が入らないように(環境音はOK
・音楽、テロップ、エフェクトは使わない
※次回、ナレーションを入れるので、この時点では言葉は入れません

 (上田さん)ものをじっくり見る。素朴な美しさに気づく。素の映像でできるだけ伝える。「みなさんがいいなあって思うもの、好きなものを見せてください!」 


【連絡事項】
●データ提出締切
2月21日(月)です。提出方法は市民館にお問い合わせを!

●編集方法
(1)自分で編集する
(2)並べてほしい順番を指示して、上田さんに編集してもらう
(3)順番ふくめて上田さんにすべておまかせする

次回は2月26日(土)です。動画撮影、楽しんでくださいね〜!



【部員日誌】
\部員のみなさんより/

「初めての動画講座でしたが、技術的な面も理解しやすい内容でした。何でも基本があるのだと再認識しました。ドキュメンタリーも思い起こすと基本を守ってる事を感じました。」

「本日の5カット映像を撮ったところで“これは!意外とハードルが高いかも”と感じたところです。自分を取り巻く環境の中に題材はあるだろうか? それをスマホのみで撮り編集も、となると出来るだろうか少し不安となりました。さてさて、これからの展開どうなることでしょう?」

「とても楽しかったです。先生の教え方がとても分かりやすく親しみやすくて、先生から教わる学生さんは幸せだなあと思いました。」

「知らないかたとZoomで話すこと自体が初体験でしたが、同じ目的を持って集まって勉強するって、やっぱり楽しいですね。」

 「各部屋に分けられて、2人で話すということを2回させていただきましたが、自分も楽しく話せましたし、“話したら、考えがまとまってきた”と言っていただけたことが本当に嬉しくて、ワクワクする体験でした。」

 「素材の撮り方や、構成のしかた等、映像も交えて具体的でよく分かりました。あとは…センスと腕?💦 自分で創ることも楽しみですが、参加者の皆さんの作品そのものもですが、製作の過程も覗き見できるのも、とても楽しみです 題材が“自分の好きなもの”ということで、改めてじっくり考えてみる機会にもなってます。