映像特別編(その1)
参加者:17名・見学者:4名
講師:上田謙太郎さん
オンラインによる映像ワークショップ「スマホで小さな映画づくり」。演劇部の特別編として、映像作家の上田謙太郎さんを講師に全2回で始まりました。スマートフォンの動画撮影機能をつかって、「わたしが好きなもの」をテーマに1分の動画をつくってみます。
上田さんは昨年(2020年度「演劇の『種』育てましょ! 花を咲かせ実を結ばせるクラブ活動」)ワークショップを行う予定でしたが、新型コロナの感染状況により市民館スタッフの研修ワークショップという形に。今回、地域のみなさんとようやくご一緒できることになりました。
初回のこの日は“部員”17名が参加し、4名が見学。まずはZoomに慣れてみるところから始まり、「どんな人がいるか」自己紹介タイム。映画づくりのテーマとなる「好きなもの」もいっしょに挙げていきました。
●映像の仕事って何?
まずは上田さんのお仕事からご紹介。「他者の存在を大事に、他者との関係性から芸術作品を作る」メディア芸術に携わっており、大学の学生とのドキュメンタリー映画や、これまでの映像作品の一部を見ました。
(上田さん)映像作家の仕事って“指差すこと”だな、と。人や風景、いろんな出会ったもの、美しいもの、いとおしい時間。隣にいる人と目を合わせて「ねえ見て」って指差す素朴な気持ち。そういうピュアな気持ちって誰しもが持っていると。なので、みなさんが好きなものを“映像で指差す”ってことをやってみましょう。
「指差す」をイメージして1分の動画を作りましょう!
テーマは「私が好きなもの」です。
(上田さん)“指差す”っていうことは“口で説明する”ことではないんですよ。
●スマホで撮影する練習
撮り方講座 3つ大事なこと
(1)水平に撮る
「スマホにグリッドを表示させるとGood!」
(2)カメラを動かさない
「左右にふったり歩いたりしちゃいがちだけど、じっとこらえる。どうしてもふるときはお腹から、からだごと。」
(3) どんな状況でも絶対に5秒以上録画する
「カメラが動かないほど人は集中して見る。“見つめる”という態度がうまれる。見せたいところに集中してもらう。」
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\実践/
●スマホで5秒のショットを5つ撮ってきてください。
(上田さん)身の回りにあるものを。広い絵、寄った絵など織り交ぜてみて。関連性はつけてもつけなくてもよいです。
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個々に撮影タイム
ブレイクアウトルームで2人組になって、お互いの撮ったものを見せ合って質問したり話をしてみる
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個々に考えタイム
(上田さん)書き出したその紙がシナリオのようなものです。でも現場で気づいたことも大事なので、シナリオをもちつつ手放すような気持ちで、“どういうショットを撮れば、わたしが好きなものが伝わるんだろう”と思いながら撮ってみてください。
●映画をつくる
(上田さん)「好きなものを紹介する映画をつくる」のではなく「好きなものを題材にした短編映画をつくる」つもりで。説明のための映像ではない、ということです。映画は「感情、詩情、人間の存在感」が、説明ではない形で伝わってくるものだと思っています。
●コツ1
「情報を撮る」のではなく「状況を撮る」。
天候や光の加減、風、人がいるかどうか。ものと空間を状況そのままに撮ってみる。
●コツ2
あなた自身が美しい瞬間に出会わなければならない。
良いタイミング、良い時間帯に出会うための最良の方法は「待つこと」。
●コツ3
被写体が最も美しく見えるアングルを探す!
モノでも人でも最大限の敬意を持って、一番かっこよく、美しく写るように。
●コツ4
一つのアクションの全体と詳細をそれぞれ撮る
(例)読書をしている人全体を写した引きショット、読書している本の寄りショット
●コツ5
説明に終始せず、遊び心で撮る
(上田さん)ものをじっくり見る。素朴な美しさに気づく。素の映像でできるだけ伝える。「みなさんがいいなあって思うもの、好きなものを見せてください!」
●データ提出締切
\部員のみなさんより/
「初めての動画講座でしたが、技術的な面も理解しやすい内容でした。何でも基本があるのだと再認識しました。ドキュメンタリーも思い起こすと基本を守ってる事を感じました。」
「本日の5カット映像を撮ったところで“これは!意外とハードルが高いかも”と感じたところです。自分を取り巻く環境の中に題材はあるだろうか? それをスマホのみで撮り編集も、となると出来るだろうか少し不安となりました。さてさて、これからの展開どうなることでしょう?」
「とても楽しかったです。先生の教え方がとても分かりやすく親しみやすくて、先生から教わる学生さんは幸せだなあと思いました。」
「知らないかたとZoomで話すこと自体が初体験でしたが、同じ目的を持って集まって勉強するって、やっぱり楽しいですね。」
「各部屋に分けられて、2人で話すということを2回させていただきましたが、自分も楽しく話せましたし、“話したら、考えがまとまってきた”と言っていただけたことが本当に嬉しくて、ワクワクする体験でした。」
「素材の撮り方や、構成のしかた等、映像も交えて具体的でよく分かりました。あとは…センスと腕?💦 自分で創ることも楽しみですが、参加者の皆さんの作品そのものもですが、製作の過程も覗き見できるのも、とても楽しみです✨ 題材が“自分の好きなもの”ということで、改めてじっくり考えてみる機会にもなってます。」